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ツゲは栽培に手間のかからない樹木?材木は高級櫛の材料になる?!

投稿日:2017年3月15日 更新日:

ツゲ(黄楊)の樹は、非常に成長が遅いため木目の細かい質の良い材木になります。

緻密で硬くて強度のある材質は、加工後の狂いが生じにくいため、印鑑やソロバンの珠、将棋の駒、三味線のバチなどの伝統的な細工物として親しまれて来ました。

とりわけ日本では、古来よりツゲは櫛の材料として重用され、遺跡などから出土しています。

「君無くは 何ぞ身よそはむ くしげなる 黄楊(つげ)の 小櫛(をぐし)も 取らむと思はず(万葉集)」のように、黄楊(つげ)を詠んだ和歌もいくつかあります。

また、『源氏物語』の中にも、光源氏の兄である朱雀院が送った和歌に黄楊(つげ)の小櫛が登場します。

現在でもツゲを材料に作られた櫛は高級品とされ、化学製品(プラスチック)製のヘアブラシとは違って様々なヘアケア効果があると大変な人気があります。

ツゲ製の櫛は、静電気が起きにくい、抜け毛や切れ毛が無くなる、天然パーマやくせ毛が落ち着くなど髪を美しく仕上げてくれる効果があるとされています。今回は、古くから櫛の材料となる「ツゲ」をご紹介します。

ツゲ(黄楊)とは?

ツゲは、日本原産のツゲ科の常緑低木で、本州中南部から九州に分布します。

樹高は、高いもので4メートルほどになり幹は10センチほどの太さになり、材木から作る櫛や印鑑、木箱の「つげ細工」が有名です。

一般にツゲとして庭木などに植栽されているのは、モチノキ科の「イヌツゲ」で、本種とは葉の形や大きさが似ているために混同されることがあります。

ツゲの漢名は「黄楊木」といい、開花の時期は3月中旬から4月ごろで、小さい黄色の花を枝先に咲かせますが、葉の色と似ているのであまり目立ちません。

葉は、やや厚みがあり卵のような形で光沢があり、対生といって枝の同じ高さから向き合うように出ているのが特徴です。

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和名は、「黄楊」「柘植」「樿」とも書き、細かな葉が次々に層を成すことから「継ぐ」が転じたという説や、春から梅雨にかけて葉が黄色になるため「梅雨黄(つゆき)」が転じたという説や、木目が細かく強度のある材質の木であるため「強木目木(つよきめぎ)」が転訛したとする説があります。

ツゲの花言葉とイヌツゲ

ツゲの花言葉は、「堅固」「堅忍」「禁欲主義」「淡白」です。硬いという意味合いの花言葉が多いのは、強度のある硬くて緻密な木材の原料になることに由来しています。

イヌツゲは、ツゲよりも成長が早く木材としては役に立たないということから「イヌ(=劣る)」の名を付けられました。でも、イヌツゲは、庭木や盆栽としてとても重宝されています。

イヌツゲは、5月から6月に白い小さな花を咲かせ、葉は互生といって枝から出る位置がずれているという特徴があります。

ツゲの栽培方法

ツゲは、石灰岩質の土地に多く生育する樹木で、酸性土壌は合わないので腐食質に富んだ肥沃なアルカリ性の土壌を好みます。

肥料は与える必要はありませんし、日陰でも問題なく育つので、育成には手間がかかりません。成長は遅いのですが芽を出す力は強いため剪定もできます。

剪定は3月、7月、10月に樹幹をそろえる程度に軽く刈り込みます。ツゲは、幹に多数の不定芽を出すので、早めにかき取るようにします。

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