春の植物

苧環の花にはミステリーが似合う?

投稿日:2017年2月23日 更新日:

「ローズバッド」この「バラのつぼみ」という謎の言葉を残して主人公が死に、この最後の言葉の意味を探って映画は展開する『市民ケーン』は、現在でも語り継がれる不朽の名作です。

でも、「苧環(おだまき)の花」と言い残して亡くなった日本の詩人の場合も、どこかミステリアスで気になって仕方がありません。

その詩人とは、『月に吠える』など学校の教科書でも習ったことのある有名な萩原朔太郎です。朔太郎の娘さんの著書『朔太郎とおだまきの花』に、そのことが書かれています。病床の朔太郎はお母さんに言います。

「おだまきの花が見たい」「いますぐ、枕元へ植えてくれ」そして、その夜遅くに朔太郎は息を引き取ったのだそうです。苧環の花は、朔太郎がはじめて投稿した詩の中にも登場します。

「さも白く咲きて居たるをだまきの花」そこで今回は、ミステリアスで「さも白く」咲くのか確かめてみたくなる「苧環」の紹介です。

苧環の種類

苧環は、世界に約70種類が知られており、日本にはヤマオダマキ、ミヤマオダマキの2種が山地などに自生しています。ガーデニングショップに出回っているのは、西洋(セイヨウ)オダマキの改良品種で、日本原産の苧環より草丈が大きく花の色がカラフルなのが特徴です。

ミヤマオダマキの花は、紫、ピンク、白があり開花時期は4月から5月です。西洋オダマキは、欧州原産のアクイレギア・ブルガリスと北米産の数種との交配種を指しています。

苧環は元来雑種を作りやすい性質を持ち、多数の園芸品種が出回っています。西洋オダマキの花は、紫、ピンク、白、赤、オレンジ、黄、茶、黒など様々な色があり、開花の時期は5月から6月です。

苧環の育て方

苧環は、午前中は日なたに、午後は明るい日陰になる場所で育てるのが適しています。

夏の暑さで弱ることがあるため、一日中直射日光の当たる場所は避ける必要があります。水やりは、年間を通じて土の表面が乾燥したらタップリ与えます。

苧環の増やし方は、種まきと株分けがあります。品種によって違いはありますが、苧環は基本的に株分けが難しく、株分けで枯れてしまうことが往々にしてあります。

苧環の管理としては、種を採取する予定がなければ、花が咲き終わったら花茎を切り取って花がら摘みを行うようにします。

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苧環の英名と花言葉

苧環の名前は、花の形が麻糸を巻いた「苧環」と似ていることに由来します。また、糸車(糸巻き)に似ているため「糸繰草(イトクリソウ)」という呼び名もあります。

英名の「コランバイン(Columbine):鳩のような」は、蕾の形が鳩に似ていることに由来します。

苧環の全般の花言葉は「愚か」。色別では、紫が「勝利への決意」、赤が「心配して震えている」、白は「あの方が気がかり」です。

ところで、過去にネットの掲示板で『名探偵コナン』の中に苧環が登場するエピソードがあり、大変な盛り上がりを見せておりました。

苧環のことを「コランバイン」でなく「コロンバイン」と表記しているので探すのに苦労しましたが、掲示板では花言葉の意味を巡って様々な憶測が飛び交い、活発な意見がやり取りされています。

苧環という花のミステリアスな側面と、ミステリー好きがいかに勉強熱心かということを知るいい機会でした。

さて、『市民ケーン』の「バラのつぼみ」は、(あまりにも有名な作品なのでネタバレも大丈夫だと判断して)子供の頃に遊んでいたソリの名前だったことが観客にだけ分かります。

ソリは、幸福な少年時代の象徴とも母親のことを意味しているとも様々な解釈がなされていますが、本当のところは作者のオーソン・ウェルズにしかわかりません。

苧環の花については、朔太郎がなぜ最後に見たいと言ったのか?やはり花の色は白なのか?それとも紫なのか?

それは本人にしか分からないことですが、謎は謎のままでもアレコレ思いを巡らせるのは私にとって楽しいひと時となります。

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